IS(「イスラム国」)の日本人人質殺害事件から数週間たちました。改めてお二人のご冥福をお祈りいたします。

時期を逸してしまいましたが、今回の事件について、デヴィ夫人はこんなことを言っていました。ネット上では随分と話題になったようですのでご存じの方も多いかと思います。

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 (参照

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私はこの記事を読んで、心の底から憤慨しました。


まず、後藤氏の母親は記者会見で「日本国民、日本政府の方々にご迷惑をおかけしていることをおわびします」と、最初に謝罪の言葉を述べています(参照)。ここに単純な事実誤認があります。


次に、後藤氏がISの人質として捕まったことを「大・大・大・大迷惑」と表現していることに私は激しい憤りを感じます。我々が得られる戦場の情報は、勝手に向こうから飛んでくるのではありません。誰かが現地に赴き、取材し、初めて我々は戦地の状況を知ることができます。結果的に今回後藤氏はISに拘束されてしまいましたが、言うまでもなく非難されるべきはISであり、後藤氏ではありません。被害者である後藤氏を「大・大・大・大迷惑」などと表現できるこのデヴィ夫人の人間としての感性を激しく疑います。


さらに、母親が自分の息子に生きて帰ってきてほしいと願うのはあまりにも当たり前のことです。 それを「どうかと思う」と糾弾するのも、この人は人としての心がないのではないかとさえ思えます。
 

この人は「センチメンタルに浸っているだけではなく、事件の真髄を知るべき」などと言っていますが、一体デヴィの発言のどこに「事件の真髄」があるのでしょう。彼女はこう続けます。 


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彼女は「娘が敵の手に落ちるぐらいなら自分で殺す」と言い、さらに、後藤さんに話すことができたら「自決してほしい」と発言しています。人であれば、「生きたい」と思うのは当たり前です。後藤氏には家族もいますし、小さな娘さんもいました。まだまだやるべきこと、したいことはたくさんあったはずです。助かる望みが少しでもあるのならば、自決なんて選択肢を選ぶはずがありません。にもかかわらず、デヴィ夫人は被害者である後藤氏の生きる権利さえ否定したのです。


一体デヴィ夫人はいつの時代に生きているのでしょう? 「我が子を英雄にする」などと言っていますが、「生きて虜囚の辱めを受けず」とでも言いたいのでしょうか? アジア太平洋戦争中の軍人の母であれば「立派な母親」と言われたかもしれませんが、後藤氏は軍人ではなく民間人のジャーナリストです。自分の子供に「日本に迷惑をかけるくらいなら死ね」と言えるような母親など、私は決して持ちたくありません。「我が子を英雄にするためにも…」なんて書くとは、センチメンタルに浸っているのはデヴィ夫人自身ではないでしょうか?


また「事件の真髄を知るべき」と言いながら、単純な事実誤認をし、被害者に対し「大それたことをした」と非難をし、さらにこう発言しています。


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どうもデヴィ夫人にとって、この事件の「真髄」とは、人質の二人がどれだけ「国家と国民を迷惑をかけたか」であるようです。それのどこが「真髄」なのでしょうか? 悪いのはIS(「イスラム国」)であるのに、日本に「迷惑」をかけたとして人質に敵意を向けるデヴィ夫人に、事件の「真髄」を理解する脳などないのでしょう。


このデヴィ夫人の理解力の無さはさまざまなところから見ることができます。例えばSTAP細胞問題の際、理研の3月の中間報告を受けて、こんなツイートをしていました。

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論文内容について疑惑が出ていて糾弾されているのに、それを「日本の男の醜いジェラシー」だと言うデヴィ夫人。彼女の頭では、そこまで問題を矮小化しないと何が起きているのか全く理解できなかったのでしょう。もちろん、この3月の理研の中間報告をどこをどう解釈しても小保方氏が正しいと言っているとは全く読み取れません(参照)。「日本のマスコミは騒ぎすぎです。日本の恥です」などと言ってますが、理研、ひいては日本の科学の信頼を失墜させた事件で騒がない方がおかしいです。デヴィ夫人の論理を用いるなら、STAP問題こそ「日本に大・大・大・大・大迷惑」をかけた事件のはずなのですが、この問題を「日本の男の醜いジェラシー」にまで矮小化しないと理解できないデヴィ夫人に、そんな論理は通じません。


その後、笹井氏が自殺した際にはこのようにツイートしました。

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一転し、「STAP細胞はやはり捏造だったのか?」です。このツイートは指摘を受けて削除、修正し再投稿されましたが、日本のマスコミを「騒ぎすぎ」「日本の恥」と言いながら、このような掌返しをするデヴィ夫人こそ「日本の恥」ではないでしょうか。


さらにデヴィ夫人は北朝鮮シンパでもあります。例えば2012年、北朝鮮のミサイル問題が取りざたされた時にはこんな発言をしています。


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参照


北朝鮮の核保有を容認するような発言をし、さらに北朝鮮のミサイルについて「自分たちが苦労し頑張ってきた宇宙科学を世界に表明したいだけ」という北朝鮮側の発表を鵜呑みにするデヴィ夫人。


さらに北朝鮮のミサイルに対する防衛技術、PAC3などの導入について、こんなことを述べています。


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東日本大震災だの、自殺だの、全く北朝鮮問題と関係ない事例を恣意的に取り上げ、「他国のことを言う前に、この悲しい日本の現状をなんとかするべき」と述べています。本当に、日本の自殺者問題と、北朝鮮のミサイル問題と一体何の関係があるのでしょう? 


さらに、北朝鮮の拉致問題に関してはこんな発言までしています。


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参照


横田夫妻を「歴史的な国交問題を妨害し、弾圧と制裁を叫び、復讐を煽」っていると批判しているのです。こんな発言ができるとは、私には全く理解ができません。どこをどうやればこんな批判ができるのでしょう? 我が子を取り返したい、そのために北朝鮮に圧力をかけてほしい。それだけのことが、「国交問題を妨害し、弾圧と制裁を叫び、復讐を煽っている」と彼女は理解するのです。やはりデヴィ夫人は他人の気持ちなど理解できないし、する気もないのでしょう。


また、相手の気持ちだけでなく、単純な理解力も欠損しています。「横田夫妻はいつでも自由に北朝鮮に行けるのに」などと言っていますが、どこをどうやれば、日本人が「いつでも自由に北朝鮮に行ける」なんて思うのでしょう? 国交がない北朝鮮に自由になど行けませんし、北京経由で入国しても常に監視員が付き、自由な行動などできません。何をどう勘違いすれば、いつでも自由に北朝鮮に行って、お孫さんに自由に会えるなどと思い込むことができるのでしょうか? 基本的な知識と理解力が欠如しているとしか思えません。


また、デヴィ夫人は「私の娘が拉致されたら、私は地球の果てまで探し続けます」と言っていますが、この発言のなんと無責任なことでしょう。現実に自分の家族が拉致されて、どこにいるかもわからない、何をすればいいかもわからない状態で、どうやってどこに探しに行くのでしょう? 実際に自分の家族が拉致されたと考えて見てください。まったくノーヒントで、どこに探しに行けと言うのですか? 費用はどうしますか? 拉致被害者の家族が自分で被害者を探しに行くなど、現実的には実行不可能です。デヴィ夫人は勇ましい理念だけで、実際に現実的に物事を考えるという能力がないのでしょう。


さらに意味不明なのが、「どうして、拉致事件のようなことが起きたのか、朝鮮と日本の歴史を研究してみないのでしょうか。1905年のころからの歴史をみれば、おのずから判ることです」という発言。一体日朝関係史を横田夫妻が研究して何が変わるのでしょう? 1905年ころからの歴史を見て、拉致事件が起きた理由がどうして判るでしょう? それが判ったからなんだというのでしょう? デヴィ夫人は「拉致事件を肯定しているわけではない」と言っていますが、どう見ても北朝鮮拉致にも一定の合理性がある、または日本側にも責任があるという発言としか理解のしようがありません。他の理解が可能なら教えてください。


それにしても、デヴィ夫人は拉致がなぜ起きたか「歴史を見ればおのずから判る」と言っていますが、一体彼女は拉致事件の原因を何だと思っているのでしょう? 日本が朝鮮半島を保護国化しようが植民地化しようが、拉致事件と何の関係もありません。「おのずから判る」と言っていますが、1905年からの歴史を見て、拉致事件の理由を「おのずから判る」人など、日本中探してもデヴィ夫人のような特殊な理解力をお持ちの方だけでしょう。


同じブログの別の記事で、デヴィ夫人はこんなでたらめも述べています。


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参照


日本による「朝鮮人強制連行」については細かいことはここでは省略しますが、現在の在日韓国朝鮮人のひとのほとんどは徴用や徴兵ではなく、自由意思でわたってきた人であることは、日本の外務省や、韓国の民団の調査でも明らかになっています。また、日本が過去に何をしようと、「この人たちの子孫が拉致事件を起こしたとしても日本は何か言える立場でしょうか」とは言語道断です。デヴィ夫人は「拉致を肯定していない」と言いながら、その責任が日本にあるかのような口ぶりです。結局「歴史を見ればおのずから判る」というのは、「日本も朝鮮人を強制連行したんだから、北朝鮮が日本人を拉致するのも致し方ないこと」という事なのでしょうか? 相手が在日韓国朝鮮人だろうと誰だろうと「迫害」することが大間違いで不当で人道にはずれるのはその通りですが、デヴィ夫人の拉致に対する主張は北朝鮮のそれを鵜呑みにしたものでしかありません。


ちなみに、拉致事件は北朝鮮の対南工作の一環で、日本人に成りすまして合法的に韓国に入国する「背乗り」や、工作員の日本語教育のためだと私は理解しています。実際に大韓航空機爆破事件の金賢姫は日本人になりすまし、拉致被害者である田口八重子さんから日本語教育を受けていました。(余談ですが、金賢姫の日本語を聞くと、とてもじゃないですが日本人に成り済ませるレベルにありません。しかし、もし彼女の自決が成功していたら大韓航空機爆破事件は日本人の仕業と言うことになっていたかもしれません。恐ろしいですね)


さらにデヴィ夫人はこう続けます。


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「自分の娘が拉致され死亡が確信されたら、娘の犠牲を尊い名誉ある価値あることに役立てようとします」などと言っていますが、彼女が言う拉致被害者の犠牲を役立てられる、「尊い名誉ある価値あること」とは一体何なのでしょう? 何を言っているのか私には全く意味不明です。どうも文脈から察するに、彼女は北朝鮮との国交正常化のことを言っているようなのですが、現状での国交正常化が「尊い名誉ある価値あること」とは私には思えませんし、まして拉致被害者が自分の家族を拉致して殺した国との友好を訴えなければならないのも理解ができません。あくまで北朝鮮シンパであるデヴィ夫人にとって「尊い名誉ある価値あること」なのであって、大多数の日本人にとっては尊くもなければ名誉もないし、価値もないことだと思うんですけどね。


そして何より、デヴィ夫人はつい先ほど、自分の娘が拉致されたら自分なら「消息をわが目でわが耳でわが手で気の済むまで確認します」と発言しています。現在横田めぐみさんの消息を日本側は全く確認できていません。それにも関わらず、舌の根も乾かぬうちに、「わが娘の消息が死亡と悲しくも確信されたら…」などと発言しています。この自己矛盾に気が付いていないのでしょうか? やはりデヴィ夫人は、自分の発言さえも理解できない程度の理解力しか持ち合わせていないようです。デヴィ夫人は、自分が愛する北朝鮮側が「死亡」と発表したら、それを鵜呑みにして死亡を「悲しくも確信」するのでしょう。彼女は、大多数の日本人は彼女と違って北朝鮮を愛してもいないし信用もしていないことがわかっていないようです。


そして最後にデヴィ夫人はこう締めくくっています。


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北朝鮮の人たちは「苦しさや貧しさに耐え、負けず、峡谷を建国しようとチュチェ思想に燃えている」のだそうです…。ここまで北朝鮮の言うことを鵜呑みにできる人も凄いですね。


ちなみに「チュチェ思想」とは「主体思想」と書き、内容があるんだか無いんだかよくわからない、北朝鮮独自の政治思想です(参照)。早い話が単に金日成・金正日・金正恩に絶対的忠誠を誓うという単なる独裁支援思想であり、この主体思想の理論を確立させた黄長燁は脱北しています。主体思想理論を作り上げた本人でさえ信じていない主体思想を信じ、北朝鮮国民が「主体思想に燃えている」と言うデヴィ夫人。さすがです。


そして、デヴィ夫人は↓こんなことまで言うほどの北信者なのです。


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参照


そんなに北朝鮮が羨ましいなら、だれも止めませんので是非北朝鮮でお暮しください。
私はごめんですが。


それにしても、国を捨てて逃げ出す人が毎年数千~数万もいるような国のどこが「国と国民が一致団結し戦っている」のでしょうか? あの国の姿のどこにデヴィ夫人は感動しているのでしょうか? あの国のどこにうらやむような「情熱」があるのでしょうか? 本当にデヴィ夫人の北朝鮮心酔ぶりは、私のような常人では理解ができません。私といたしましては、デヴィ夫人が北朝鮮に永住してくださることを心より期待しております。


なお、デヴィ夫人は当然のごとく田母神俊雄氏の熱烈な支持者ですが、田母神氏がどれだけデタラメばかり言っているおかしな人物であるかはこれまで何度かこのブログで取り上げましたのでこちらをご覧ください。


ちなみに、デヴィ夫人のブログのコメント欄には、デヴィ夫人を讃えるものしか掲載されません。一体どういう人がこの人を讃えているのか全く分からないのですが、自分に批判的な声は消去してあたかも自分の意見にみんなが賛同してくれているかのように演出したいのでしょう。


理解力はなく、知識もなく、恥も知らず、発言に責任もなく、犯罪被害者やその家族を糾弾し、人の気持ちも分からず、独裁国の言い分を鵜呑みにし、自分を褒め称えるコメントだけを集めるナルシスト。このような人間にだけは死んでもなりたくないものです。


ニーチェは「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない」と言いました。私はデヴィ夫人を他山の石に、このような人物には決してならないように気をつけたいと思います。まあ、どんなになろうと努力しても、こんな人間にはなかなかなれるものではないでしょうが。このブログが、デヴィ夫人がどういう人なのか、またそんなデヴィ夫人が「尊敬する」と公言する石原慎太郎氏や橋下徹氏、応援演説までした田母神俊雄氏がどういう人物なのか、皆様が知る機会になれば幸いです。

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